スーパーマーケットで働くということ

スーパーの生鮮チーフによるブログ

その仕事、妥協の産物であるという自覚がありますか?

お疲れ様です。

挑戦的なタイトルで申し訳ありません。今回は、自覚について書きたいと思います。

どんな売り場を作っても、全員が満足するということはない

例えば今、天然ブリが安いですよね。もうじき終わりそうですけど。

そこで立派なブリコーナーを作ったとします。それはそれで立派ですが、その分縮小した用品やカットしたアイテムがありますよね。また、ブリ以外を売り込むことが出来たかもしれないですよね。

またブリの商品化ですが、アラ、切り身、サク、お刺身と、様々な種類で提供したとしますよね。でもその時、半身売りや一尾売りで値段をつけましたか?また、ケース売りで値段をつけましたか?7kくらいの天然ブリなら1尾2980円~3980円くらいで値段がつけられますよね。ケース2尾なら6800円でつけてもいいかもしれません。

また切り身を出す時、1切れから買えるようにバラ売りしてありますか?今流行りの味付けも展開していますか?

ブリカマは大きく取って、価値のあるカマが欲しい人への提供ができていますか?また部門を越えて、お惣菜にはブリのカマ焼きや照り焼きなどが品揃えされていますか?

別に全てをやれと言っているわけではなく、売り場を作ったときや何か商品を作ったとき、今回自分はこういう意図でやるけれど、こういう部分は諦めているよな、という自覚を持ってやっているでしょうか?ということなんです。

ではなぜそんな自覚をもって仕事をしなければいけないのでしょうか?

お客様の幅を限定してはいけない

その自覚がなければ、何か失敗したときやこれ以上業績を上げたいとき、どう考えていいかわからないんじゃないかと思うんです。

例えば塩銀鮭という商品があります。鮭関係は今原価が上がっていますが、これを置いていないスーパーというのはまずないでしょう。

 じゃあこれを最大限売り込もう、と思ったとき、どういう売り場が一番良いと思いますか?

価格を出しますか?1切れから買えるようにバラ売りを出しますか?大きなパックが売れるように、4切れ、6切れ、10切れパックなどをつくりますか?お弁当に使いやすい小切れや、もち切りカットした商品を出しますか?マネキンさんをつけて試食を出しますか?売り場で切って、実演販売しますか?たぶんこの全てを実行できれば、塩銀鮭の売上は間違いなく上がると思います。

しかし上記の売り方ではまだ足りない部分があります。

一番簡単で一番親切なのは、半身を一枚ゴロンと出して、

「お好みの厚さにカットいたします♪お気軽に従業員まで!」

と書いておくことなんです。

ほんとかよ!?と思うかもしれませんがこれをやると、「切って切って~」と持ってくるお客様、たくさんいますよ。

その時ほとんどのお客様が「厚~く切ってよ!」と言ってきます。

塩銀鮭は高いですよね?だから勝手に、ブロックは売れないだろうとか、厚切りは売れないだろうと思っていませんか?

お客様に話を聞くと、

「この鮭好きなんだけど、もうちょっと厚いといいな~と思ってたのよね。だって、いつも薄いのしかでてないんだもん・・・」

と言われました。正直ショックでした(笑)。

もちろん薄いわけではないんです。ちゃんと会社の規定の重量にカットしてあります。それでもお客様からしたら、薄かったんですね。

それからは、どんな厚さの商品があってもいいんじゃないか?と思えるようになりました。

時々思うんですが、お客様は私より魚が好きで、また、お金持ちです(笑)。

それでも全てのお客様の希望にこたえられるわけではない

塩銀鮭の話のように、ブロックで出してはじめて、お客様の潜在的なニーズがわかりました。それがわかったんなら、はじめから厚切りを出してしまえばいいですよね?

でもこれが完璧な訳ではありません。塩鮭には種類が無限と思われるほどあります。塩鮭の専門店を見たことがありますか?トラウト腹身の寒風干しや、脂の乗ったキングサーモンなど多種多様な塩鮭があり、本当にわくわくしますよ!私だけでしょうか(笑)

まぁ塩銀鮭の話は1つの例です。

現実の場面では、やったほうがいいことなど、無限に存在します。

無限にあることの中から実際にやったこと、の間には、とてつもないギャップがあります。

まず自分が思いつくかどうか、という問題がありますよね。そして、思いついたことを実際にやるかどうか、という部分にもギャップがあります。

自覚をもってればいつでも即実行できる!

日々の業務に追われ、頭も体も疲れ果て、理想と現実のギャップに頭を悩ませている人、いませんか?

でも、理想があれば、いいじゃないですか。

理想があれば、その理想に対して向かっていくことが出来るじゃないですか。

例えば売り場変更をしたいんだけど時間が無い、と思っているとします。そしたらある日、魚の入荷が少なくて、ちょっと早く帰れそうな日があったとします。

理想が無い人は早く帰るだけですが、理想がある人は、じゃあ今日はちょっと踏ん張って、あそこ変えていくか、となりますよね。

仕事をしていて今日は暇そうだな~と思ったら、早いうちパートさんに、あとでいつも掃除できていない○○の部分、やってもらっていいですかね?と言っておくこともできます。

時間が少しでも出来たらやりたいことリストがいくつあるかってのが大事だと思います。忙しいのは皆一緒だと思うので。